勤務間インターバル制度を法律でどう位置づけるか — 10月14日の労働条件分科会で論点に。導入企業は全産業で6.9%

メディレクト編集部の週次ノート|対象週 2026年10月12日〜18日|公開 2026-10-19
編集部ノート働き方医師介護

今週の動き

2026年10月14日(水)、厚生労働省で労働政策審議会の労働条件分科会(第212回)が開かれました。労働条件分科会は、労働基準に関わる法制度を議論する厚生労働省の審議会の分科会です。この日の議題の一つ「労働基準関係法制について」で、事務局は「労働時間法制の具体的課題」として3つの論点を示しました(資料No.2-1)。

1つ目が勤務間インターバル制度です。終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間を確保する仕組みのことで、2019年4月から労働時間等設定改善法により、事業主が「講ずるように努めなければならない」努力義務になっています。論点は、導入を促すために「法的位置付け」を含めてどのような措置を講ずべきか、です。2つ目は就業時間外の連絡に関する「つながらない権利」の在り方、3つ目は労働時間の把握でした。資料は論点の提示までで、分科会としての結論は資料には書かれていません。次回の第213回は10月23日(金)に「労働基準関係法制について」を議題に開かれる予定です。

資料No.2-2によると、勤務間インターバル制度を導入している企業の割合は、厚生労働省「就労条件総合調査」(全産業・常用労働者30人以上の民営企業が対象)で令和7年に6.9%でした。平成29年の1.4%から増えてはいますが、「導入予定はなく、検討もしていない」企業がなお78.7%あります。この78.7%の企業が挙げた理由で最も多いのは「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」の57.3%で、「当該制度を知らなかったため」も19.9%ありました。

資料No.2-2に整理されたこれまでの意見では、労働者側は法律による義務化と11時間のインターバルの検討を求め、使用者側は画一的な規制に反対し、まずは政府の過労死等防止対策大綱の目標(導入している企業割合を令和10年度までに15%以上)の達成を優先すべきだとしています。

この数字から読み取れること

資料No.2-2の「一般の労働者、医師、自動車運転者」の比較表によると、医師については、医療法(水準は医療法施行規則)にもとづき、始業から24時間以内に9時間の続けた休息を確保することとされています。宿日直許可のない宿直・日直に従事させる場合は、始業から46時間以内に18時間です。この仕組みは、時間外労働が年720時間または月45時間を超える月が1年に6か月を超える見込みの医師が対象で、時間外労働の上限が年960時間のA水準では努力義務、年1,860時間まで認められる連携B・B・C水準では義務です。インターバル中に緊急の業務に就いた場合は、その時間に相当する代償休息が必要です。これに対して「一般の労働者」は努力義務のみで、時間数の定めはありません。看護師や介護職、医療事務などはこの表の「一般の労働者」の側に当たり、同じ病院の中でも職種によって休息のルールの重さが違う、と編集部は読んでいます。

資料には、制度を導入している企業を対象にした「勤務間インターバル制度に関する実態調査」(令和6年10月1日時点。企業396社と労働者4,270人が回答。令和7年3月公表)の産業別の値も載っています。「医療,福祉」で導入している企業が設定しているインターバル時間は、9時間〜10時間未満が34.9%、11時間〜12時間未満が39.2%、12時間以上が21.7%でした。産業別の回答企業数は資料に無いので、目安として見てください。また、全産業の集計で、制度を一部の労働者に適用していない企業に、適用していない労働者の範囲を複数回答で尋ねると、「適用していない職種がある」が9.0%で、資料はその選択肢の例として「介護職に従事する職員」を挙げています。

運用面では、導入している企業のうち、2024年9月にインターバル時間を確保できなかった従業員がいた企業は18.0%で、そのうち代わりの措置を「特に講じていない」企業が39.8%でした(該当する企業は限られるため参考値です)。

資料にある海外の例では、ドイツは勤務終了後に11時間の連続した休息を義務づけていますが、病院・看護・介護などの施設では、1か月以内に別の日の休息を12時間以上にすることを条件に10時間まで短縮できます。イギリスも病院などの治療・看護の業務を休息の規定の適用除外にできます(同等の代償休息が必要)。

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編集部の見解

編集部は、議論の行方を待つより先に、求人を見る側が「休息の扱い」を確かめる習慣を持つことが大切だと考えます。導入している企業が全産業で6.9%で、導入する予定も検討もない企業のうち約2割が制度を知らなかったという数字からは、募集要項に勤務間インターバルの記載がある職場のほうが少数派だと考えられます。記載がないことは休息が守られていないことを意味しませんが、確かめなければ分かりません。

そこで、夜勤や当直のある職場に応募する方には、面接や見学で次の3つを聞くことを提案します。

  1. 最短の間隔: 「夜勤(当直)明けから次の勤務までは、最短でどのくらい空きますか」
  2. 確保できなかったとき: 「急な呼び出しなどで休息が取れなかった場合、翌日の始業を遅らせる、代わりの休みを取るといった決まりはありますか」
  3. 職種による違い: 「職種によって、夜勤(当直)明けの扱いに違いはありますか」

3つ目を挙げたのは、医師の仕組みは時間数まで法律で定められている分、同じ施設の中で職種ごとに扱いが違い得るからです。

実態調査では、導入している企業でも、2024年9月に休息を確保できなかった従業員がいた企業の39.8%は、代わりの措置を特に講じていませんでした。制度があるかどうかより、夜勤明けや呼び出しのあとの扱いが決まっているかどうかが、働く人にとっての実質だと編集部は考えます。勤務間インターバルの有無だけで職場の良し悪しを決める必要はありません。応募先のルールを聞き、自分の生活と合うかを見極める材料に、今回の資料の数字を使ってみてください。

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出典

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