薬剤師の転職、紹介会社と直接応募はどう違う? メリット・デメリットを事実で整理

メディレクト のコラム|最終更新 2026-10-05(初出 2026-10-05)
永久保存版薬剤師転職比較

この記事を載せているメディレクトは、病院・薬局・ドラッグストアの公式サイトに載っている募集(直接応募の募集)を集めたサイトです。その立場にあることを先にお伝えしたうえで、どちらが良い・悪いと決めつけず、事実で比べます。

薬剤師の転職には、大きく分けて3つの入口があります。人材紹介会社(転職エージェント)に申し込んで勤め先を紹介してもらう方法、派遣会社に雇われて病院や薬局で働く方法、そして病院・薬局の公式サイトの募集を見て自分で応募する方法です。この記事では、紹介会社と直接応募の違いを中心に、派遣の制度上の扱いも確かめます。

紹介会社は、希望を聞いてから紹介する

当社が確かめた薬剤師向け紹介サイトの例では、申し込みフォームで次の項目を順に入力する形でした(2026年10月確認)。

  1. 持っている資格(薬剤師・認定薬剤師・取得見込みなど)と、転職したい時期
  2. 希望の働き方(正社員、週3日以下のパート、週4〜5日のパート)
  3. 氏名・フリガナ・生まれた年
  4. 住んでいる都道府県・市区町村、電話番号、メールアドレス

同じサイトでも、公開している求人は登録せずに検索できました。当社が見たこのサイトでは、申し込みが要るのは、担当者(キャリアアドバイザー)が希望に合う求人を探して紹介する仕組みだからです。このサイトは、申し込みの画面で、条件交渉や日程調整を代わりに行うことをサービスの内容として挙げていました。

紹介会社は、受け取った個人情報を業務の目的に必要な範囲で扱い、適正に管理する決まりです(職業安定法 第五条の五)。

「非公開求人」とは

薬剤師向けの紹介会社の解説では、求人を次の3つに分けています。

伏せる理由として、解説は「いま働いている薬剤師に見られると不利益がある」「急ぎの募集」「戦略的に重要なポジションの募集」を挙げています。紹介を受けるには、紹介会社に登録して担当者に問い合わせることが必要だと説明しています。病院や薬局の公式サイトには載っていないので、直接応募の側からは見られません。

なお、こうした求人の条件の良さなどを第三者が測った調査は、当社の調べでは見つかりませんでした。

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紹介会社のお金は、採用する側が払っている

紹介会社を使っても、薬剤師本人が費用を払うことは原則ありません。職業安定法(第三十二条の三第二項)で、紹介会社は求職者から手数料を取ってはならないと決まっているからです(厚生労働省令で決めた一部の例外を除く)。費用を払うのは、採用する病院や薬局です。

薬剤師の手数料率は、国の資料では確かめられませんでした。 厚生労働省がまとめた職種別の手数料率(2024年度の実績)には、医師(平均22.0%)、看護(21.6%)、介護(20.2%)などの欄はありますが、薬剤師だけの欄はありません。ここでの手数料率は、職種ごとに「求人者(雇う側)から受け取った手数料の総額 ÷ 就職した人の予定年収の総額」で計算したものです。表の「平均」は紹介会社の事業所ごとの率を平均した値で、事業所ごとの就職件数による重みづけはしていません(厚生労働省の資料の注記)。病院団体の報告書(日本医師会・四病院団体協議会、2026年3月)にも、薬剤師の手数料の数字は見つかりませんでした。

病院の側から見た数字はあります。福祉医療機構の調査(2025年7〜8月・公立を除く412法人434病院が回答)では、2024年度に人材紹介会社を使って正規職員を採用した334病院のうち、14.7%が薬剤師を紹介会社経由で採用していました(複数回答。最も多いのは看護師の90.7%)。紹介会社を使って採用した病院が2024年度に払った紹介手数料の総額は、1病院あたり平均1,469万円でした(全体の傾向から大きく離れた数値は外れ値として除いた平均)。これは医師や看護師なども含めた病院単位の1年間の合計で、薬剤師1人あたりの金額ではありません(薬剤師の分だけの金額は示されていません)。

派遣で働く薬剤師と、法律の扱い

派遣は、紹介とは仕組みが違います。派遣会社が薬剤師を雇い、その薬剤師が派遣先(病院や薬局)の指示を受けて働く形です(労働者派遣法 第二条)。雇い主は派遣会社のままで、派遣先に雇われるわけではありません。

病院・診療所での調剤は、原則として派遣が禁止されています。 労働者派遣法 第四条は、政令(法律の細かい中身を内閣が定める決まり)で決めた業務について派遣を禁じています。その政令(労働者派遣法施行令 第二条)が挙げる医療関係の業務の中に、「薬剤師法第十九条に規定する調剤の業務(病院等又は介護医療院において行われるものに限る。)」があります。ここでの「病院等」は、病院と診療所(社会福祉施設などの中にある一部の診療所を除く)です。

ただし、同じ条文に例外があります。次の場合は、病院・診療所での調剤も派遣で行えます。

薬局は、この政令の一覧に入っていません。 政令が派遣を禁じているのは「病院等又は介護医療院」での調剤で、薬局での調剤は挙げられていないため、禁止業務には当たりません(2026年10月5日に、e-Govの現行の条文で確かめました)。派遣の仕事を探すときは、勤務先が薬局か、病院・診療所かで扱いが変わることを知っておくと、求人の条件(紹介予定派遣か、休業の代わりかなど)が読みやすくなります。

派遣で働く場合も、派遣会社は働く人の個人情報を業務に必要な範囲で扱う決まりです(労働者派遣法 第二十四条の三)。派遣の詳しい働き方(期間の上限など)はこの記事では扱いません。

紹介会社を使う・直接応募する:比べると

比べる点紹介会社を使う病院・薬局に直接応募する
公開されている求人を見る紹介会社のサイトで、登録なしで検索できる(当社が見た例)公式サイトの募集を、登録なしで見られる
非公開求人・担当者からの紹介申し込み(資格・時期・働き方・連絡先などの入力)のあとで受けられる見られない・紹介はない
連絡・日程調整・条件交渉担当者が代わりに行う自分で病院・薬局と行う
本人の費用原則無料(手数料は雇う側が払う)無料
雇う側の費用紹介手数料(薬剤師の率は国の資料で未確認)紹介手数料はかからない
直接応募だけの特典対象外祝い金・支度金を出す病院・薬局がある
紹介会社経由を断る病院一部の病院には応募できない(当社集計で2,992病院中 約28。誤検出を含む概数)応募できる
不採用のあと同じ病院に応募し直しにくくなることがある紹介会社の違約金規約による制約は生じない

表の上の3行は、探し方とやり取りの手間の違いです。公開されている求人を見るだけなら、どちらも登録は要りません。違いが出るのはその先で、紹介会社は申し込めば非公開求人の紹介や連絡・交渉を任せられます。直接応募は申し込みが要らない代わりに、連絡や交渉を自分で引き受けます。

「2,992病院」は、当社が集めた病院の採用ページのうち、本文に「薬剤師」と「募集・採用・求人」のどれかの語がある病院の数です。メディレクトの一覧に薬剤師の募集を載せている病院(1,903病院)は、主にこの中から、要項を取り出せた病院です。

紹介会社を使うメリットと注意点

メリット

注意点

直接応募のメリットと注意点

メリット

注意点

直接応募なら雇う側に紹介手数料がかかりません。ただし、これは求職者が直接受け取る得ではなく、雇う側の費用の違いとして知っておく点です。

なお、「直接応募のほうが給料が高くなる」ことを示した公的な統計は、当社が調べた範囲(厚生労働省・日本医師会・福祉医療機構の資料)では見つかりませんでした。特典は、それを書いている病院・薬局に限った話です。

2025年の制度改正で変わったこと

  1. 2025年1月: 紹介会社の許可の条件に、紹介で就職した人(期間の定めのない雇用)に2年間転職を勧めないことと、「お祝い金」などの名目で求職者にお金を渡して申し込みを勧めないことが加わりました
  2. 2025年4月: 求人サイトなどの「募集情報等提供事業」(求人の情報を載せる事業で、あっせんはしない)も、求職者へのお金などの提供が原則禁止になりました
  3. 2025年4月: 紹介会社は、職種ごとの手数料率の実績を厚生労働省の「人材サービス総合サイト」に載せることが義務になりました。違約金の決まりがある場合は、その額や発生する条件を、雇う側にあらかじめ書面などで示すことも求められています

1と2で決まりが加わったのは、紹介会社と求人サイト(雇用を仲介する事業者)が求職者にお金を渡すことについてです。先に挙げた直接応募の特典は、病院・薬局が自分の採用で出しているものです。

なお、紹介会社は手数料に関する事項を求職者にも示す義務があります(職業安定法 第三十二条の十三)。

迷ったときの考え方

直接応募の具体的な手順は「薬剤師が病院・薬局に直接応募するときの進め方」に、書類の書き方は「医療系の履歴書・職務経歴書の書き方」にまとめています。医師の場合の比較は「医師の転職、紹介会社と直接応募はどう違う?」です。

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メディレクトについて

メディレクトは、病院・薬局・ドラッグストアの公式サイトに載っている募集だけを集めた検索サイトです。紹介や仲介、派遣はしておらず、登録も不要です。希望条件や連絡先を入力しなくても、地域や掲載元(病院/薬局・ドラッグストア)で薬剤師の募集を絞り込めます。どの募集からも公式ページへ移れるので、直接応募の条件や特典はそこで確かめられます。紹介会社だけが扱う非公開求人は載っていません。また、病院・薬局への連絡、日程調整、条件の確認と交渉は、ご自身で行っていただくことになります。

この記事の数字と条文は、記事末尾の出典(2026年10月5日に確認)と当社の文言検索の結果に基づいています。当社の件数は誤検出を含む概数です。制度は改正されることがあるので、最新の情報は出典のページで確認してください。

出典

更新履歴

この記事について

この記事は メディレクト が公開情報をもとにまとめた読み物です。制度や数字は変わることがあるので、出典のページで最新の内容を確認してください。メディレクト は病院・薬局・歯科医院・介護事業所の公式サイトに載っている募集だけを集めた検索サイトで、紹介や仲介はしていません。
掲載内容は各病院の公式サイトの記載を、当サイトが機械的に読み取って整理したものです。応募・条件の確認は必ず病院の公式ページで行ってください。
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